私が社会人になって、23年ほど経ちますが、そのほとんどを営業として仕事をしてきました。これまでに転職を3回していますが、営業ということで言えば、2社目の会社の印象がすごい残っています。
その会社は、ビジネスフォンを販売していた会社で営業活動は、すべて新規飛込み営業です。私がこの会社に在籍したのは、3ヵ月間でした。
たった3ヶ月ですが、今でも鮮明に覚えているので、今回はそのことについて、書いていこうと思います。
1台も売れずに3ヶ月で退職
私が2回目に就職したのは、ビジネスフォンを販売している会社です。
その当時は、ビジネスフォンを販売している会社がたくさんありましたが、今はもうみかけないですね。
業務内容は、世の中にあるすべての会社が営業先で戸のある会社にはすべて飛込み営業です。
「○○会社と申しますが、ビジネスフォンのご提案に伺いました」みたいな感じで。
一日、50~70件くらいの会社を回りましたね。雨の日も晴れの日も・・・
非常に辛い仕事で、結局、私は1台も販売することができず、半分クビのような形で退職しました・・・
入社して3ヶ月が経った時に
- 部長「3ヶ月で1台も売れずに今後、どうするつもりだ?」
- 私「・・・・・」
- 部長「どうするか考えておいてくれ」
- 私「分かりました・・・」
こんな会話の後、会社を辞めることになりました。
現在、こういった飛込みスタイルの営業手法をとっている会社はほとんどないかもしれないですね。ただ、飛込み営業に変わって、電話セールスが増加しているのかもしれません。
最近は、どのご家庭でもネット環境を整えているので、それに関連した電話営業ですね。中にはきわどい電話営業をしている会社もあるようですが・・・
当時ビジネスフォンの営業は、社会問題になっていた⁉
私がこの会社で働いていたのは、今から20年ほど前です。
その当時は、同じようなビジネスフォンを販売している会社がたくさんあり、ちょっとした問題になっていました。
ビジネスフォンというのは、基本はリースである一定期間でリース契約が切れます。確か7年か8年だったと思いますが、そのタイミングで新しい機種に替えて再リース契約を結ぶというのが、一連のフローです。
ビジネスフォンの営業は、そのリース切れ間近の客先を見つけるために、ひたすら新規訪問します。
まず営業がやることは、新規で訪問した先のビジネスフォンの機種を確認します。遠目に見てもある程度は分かります。
もしリース切れの可能性があるのであれば、現状の電話回線の状況を確認して、提案するというのが、営業活動でしたが、この営業活動で詐欺まがいなことをする会社が多かったです。
例えば
- 「NTTから点検にきました。この電話機はリースが切れるんで、機種変更する必要があります」
- 「このビジネスフォンは、あと数ヶ月でリースが切れるため、使用できなくなる」
- 「このビジネスフォンは、あと数ヶ月でリースが切れるため、利用料金が高くなる」
など、ウソを言う営業が非常に多かったです。
別にリースが切れても使用できます。リース料金がかからなくなるので、無料で利用できるわけですが・・・結構、メチャクチャでしたよ・・・
さすがに私はこういうトークはできませんでした。
メンタルがもたない・・・
こんな詐欺まがいな営業が横行している業界で、私も仕事を始めたわけですが、新規訪問する客先によっては、すでに騙されてすごい怒っている人がいたり、そういう営業にうんざりしている人もたくさんいました。
中には、お渡しした名刺を破ってくる人もいましたし、暴言を吐いてくる人もいましたね・・・
私は、こういう状況で気持ちのコントロールができなくなり、怖くて新規飛込みがなかなかできない状態になってしまいました。
それでも売れる営業マンはいる
結局、私は1台もビジネスフォンを販売することができず、退職しましたが、こんな営業手法でも毎月、複数台販売してくる人がいたのも事実です。
今でもそういう人が、どうやって契約を取ってきていたのかは分かりません。
でも一つ分かることは、鋼のメンタルを持っていたということです。
というか、おそらくどこか神経が切れてないとできない仕事という気もしますが。良い言い方をすれば、鈍感力が優れている、ということでしょうか。
現在は、その当時と違い、これだけネットで情報が溢れているので、同じ営業手法で活動しているとは思えませんが、一体この業界は今どうなっているのか気になります。
私にとっては、非常に辛い3ヶ月の経験でしたが、でもその経験は今の営業活動に生きているので、良い思い出です。今では、かなりメンタルも強くなりましたが、それでもビジネスフォンの営業は、できないですね・・・